宗教や心のこと

宗教や心について、考えたこと

気の毒なS会の布教師

S会の一般の布教師は、教団から給与が出ません。個人事業主扱いで無給です。仏教サイト;ハスノハで、僧侶の三宅聖章さんが質問に答えるかたちで「私は毎月45万円いただいています」と書いていたり、キリスト教のある普通の牧師さんが「いい暮らし」をしているのを見ましたが、それらとは対照的です。

S会の布教師は200人以上居て、仮に最低レベルの15万円/月を支給したとしても、教団は社会保険料その他で2倍近くの費用を布教師に掛けなければならず、年間費用をザックリ計算すると、

15万円 × 2 × 12ヶ月 × 200人 = 7億2000万円/年

の費用が掛かります。しかし教団の収入は20億円/年だし、基本的に原材料費の掛からない業界なので、普通に考えると十分に払えるはずなのです。

 


教団は、かつては布教師に対して給与を支給していました。しかし身の丈を考えず総工費120億円の巨大な講堂を建設したり、その他教団施設を全国各地に次々と建設、億単位の布教用特殊車両を数十台購入・運用するようになって維持費が嵩んできて、いま年間10数億円掛かるとのことです。(退会者ブログより。教団内部からのリーク) 

教団は、幹部に対してはもちろん給与を支払っています。本部職員や経営する事業体の従業員などにも支払っているでしょう。不満を持った人からのリークがあり労基に入られたらアウトだからです。各地で布教している布教師たちと違って、本部職員を個人事業主と強弁するにはさすがに無理があるし、宗教活動以外の事業で働かせる人を無給にするのは完全に違法です。 労基は司法警察官でもあり、逮捕・送検されます。

なお教祖の息子(=次期教祖)の給与は2000万円/年です。教祖一族の者は教団内に数人いますが1000万円/年は下らないでしょう。親族で合計6000万円とします。その他、地方の非上場中堅企業並みに、
・幹部職員の平均給与;800万円/年×5人=4000万円/年
・一般職員の平均給与;400万円/年×30人=1億2000万円/年(30人には少数の特別な布教師を含む)
とし、以前にも書いたバナー広告費;6000万円・某地方新聞など活字媒体への広告費;3000万円・上記で挙げた施設や車両の維持費を15億円として総括すると、

【収入】
20億円

【支出】
15+0.6+0.4+1.2+0.6+0.3+7.2+本部人員の社会保険料等=25.3億円以上

となって、概算ですが大赤字になります。それで一般布教師の給与;総額7.2億円の支給廃止となるわけです。幹部は一般の布教師に対し「親鸞聖人(=祖師)や会長(=教祖)もかつてそうだったのだ」と語気を強めます。それが宗教者の生きる道であると。

給与の無くなった一般の布教師たちは、学生の時に偽装勧誘を受け、中退か卒業直後に布教師となった人がほとんどであるため、社会で働いた経験が無く職業スキルがありません。辻説法だけでは無論食べていけず、多くが高齢の親の元に身を寄せたりしていますが、無年金で親亡き後はさらにお金で苦労するでしょう。ここまでされても唯々として従っているのは、地獄脅しと極楽往生を核としたマインドコントロールのなせる業です。ちなみに街で托鉢僧をたまに見かけますが、あれは偽物(詐欺師)を除くと所属宗派が修行のためにさせているだけで、所属宗派に護られており根本的に違います。

人生の禍福は収入の多寡にはよりません。自分の信じる信仰に生きるのも良いと思います。ただS会の場合は事実上いくら励んでも救われない教義だし、教団が金に汚く偽装勧誘で悪名高いため正体を隠さざるをえず世間に対し胸を張って生きることもできません。一般の布教師たちは気の毒としか言えません。