宗教や心のこと

宗教や心について、考えたこと

ライフプラン

昔職場の食堂でお昼どき、ライフプランアドバイザーとかライフプランナーとも言われる、いわゆる保険外交員の女性が顔を出していました。あなたももうじき結婚する年齢になるのだから、生命保険に入っておかないとダメよとか、いずれ家を建てるのでしょ?とか言っていたように思います。昔は、

①有名大学を出て高ステータスの職業に就くこと。
②良妻賢母となる女性と結婚すること。 
③立派な家を新築し妻子を住まわすこと。    
④仕事で出世し、役職を昇り詰めること。    

を「男の理想のライフプラン」として世間の大半の人が認識していましたが、社会情勢や人々の価値観が変化したこともあって、これはもう昔話になっています。

 

この理想のライフプラン、時代や場所が変われば違うのは当然ですが、2千年前のインドでは「四住期」という考え方があって、良しとされたそうです。

第一期;学生期・・・修業の時代
勉学や儀礼、社会常識を身に付ける。禁欲の生活を送る。

第二期;家長期・・・家を切り盛りする時代
結婚して家を持ってその家長となり、家の祭祀や仕事、子育てをする。

第三期;林住期・・・半俗、半聖の時代
子育てを終えた年代で、家族や地域と縁は切らないが、一旦そこを飛び出して自由に生活する。巡礼をしたり森や林の中で瞑想したりして内省的・宗教的な生活を送る。この後、大半の人が家族の元へ戻っていく。

第四期;遊行期・・・聖者への道
林住期を経て、家族の元へと戻らなかったわずかの人が往く聖者への道。


先の昭和の男のライフプランと比較すると、昭和が第二期までで終始しているのに対し、古代インドは第三期と第四期が標準で入っています。なんとも人生の味わいがあるプランです。

私はというと、いま仕事はしているものの林住期のようになっています。というか、子供の頃に「百億の昼と千億の夜」を読んで衝撃を受け、宗教って何だろう?宇宙の仕組みってどうなっているのだろう?と考えて以来、ずっと林住期が少し入った人生だったように思います。そして多分これからも、林住期のまま生涯を過ごしたのちに、死んでいくのだろうなと思います。