宗教や心のこと

宗教や心について、考えたこと

大乗仏教の方便

仏教は釈尊から始まりますが、彼の著作物は何もありません。大乗経典は釈尊死後400年ほども経ってから成立していて、経典中に如来や菩薩が出て来たりしますが、全て後世の人の創作です。またインドでは釈尊在世以前から業や輪廻の存在が信じられてきましたが、釈尊はそれらの証明のしようがない形而上のことに対しては何も語りませんでした。

但し大乗経典の中身についてはホンモノです。ホンモノでなければ、玄奘らが命懸けで経典を求める旅をしないし、既に大文明国だった中国に広まることはありません。

紀元前後頃から、釈尊の教えに従い四念処で悟りに至った北インドの仏教者が、当時の仏教の劣勢を挽回するため、それまでの四念処による現世での自己救済を目指すだけだった仏教を、衆生の救済を目指すものへとリニューアルさせたのが大乗仏教であると考えるのが、一番自然であり腑に落ちます。

大乗経典には、釈尊が直接説いたように見せかけたものもありますが、それはそれこそ方便なのでしょう。