宗教や心のこと

宗教や心について、考えたこと

パパ活

雨の降る中コインランドリーに入り、洗濯物をドラムに入れて備え付けの椅子に座っていると、テーブルを挟んだ隣の椅子に座っていた人が話しかけてきました。

振り向くとツインテールでスッピンで、ジャージのような服装の女の子。高校生かな?洗いあがる間、親はどこかで買い物かな?と思っていると、一人で自転車で来たのだと言います。

好きなキャラクターやブランドなどを話し始めると、そこから止まらず、いわゆるマシンガントークでした。話す内容が幼くて、ところどころ理解不能なことを言うので、元気で天真爛漫な子だなと思っていました。年齢は23歳とのことでした。

そのうち、仕事をしている、4万円もらっていると言います。アルバイト?ひと月のバイト代?ときくと、そうじゃないと言います。パートでも月給4万円なら最低賃金を下回る法律違反になるでしょうから、1週間で4万円?と訊くと、違う、1日4万円と言います。

1日4万円?フリーの麻酔科医ならその2倍でも少ないのでしょうが、失礼ながら取り立ててスキルがなさそうな普通の女の子が・・・? ちょっと混乱してきました。1ヵ月に4万円じゃないの?と再度きくと、いや1日4万円だと言います。話す内容といい、この子はどうやら、いわゆる知的障害の子みたいだと思えてきました。

洗濯物が仕上がったので帰ろうとすると、雨が降っているので家まで送っていってほしいと言います。いくら親子ほど年が離れていても、会ったその日に知らない男の車に乗るのは如何なものかと説教じみたことを言いましたが、お母さんはそれを禁止してない、いままでも何度も送ってもらっている、隣の市とか家から離れたところで降ろされないようにしなさいとお母さんに言われている旨を言います。ちなみにお母さんはシングルマザーとのことでした。

まあこれも何かの縁だろうと承知し、自転車を私の車に積み込み、その子の家に向かいました。コインランドリーを出るとき、客が忘れ物として残した洗濯物を入れるカゴから、その子が綺麗なハンカチを失敬してきましたが、そういう倫理観の親のようでした。

車内では、あれが欲しいこれが欲しい、お腹空いたとマシンガントークが続きます。乗りかかった船、分かった分かったとコンビニに入って食べ物を買い与えました。どうやらこれはいわゆる「パパ活」で、その子は今までもそうやってコインランドリーに一人で来た中年男性を見つけてはおねだりして味をしめているようでした。

車内でその子は、もうじき療育手帳の更新に行くのだと言ってました。療育手帳が発行されるのだから、70未満のIQということになります。(自治体により閾値は異なる)なるほど1日4万円というのは実は1ヵ月4万円のことで、一度に支給される額が4万円だからそのように思っているだけかと納得しました。計数や物事の概念の把握が苦手な子のようでした。

しかし道案内はしっかりしていて、右左折や直進の指示に迷いが無く、かなり複雑な経路の5kmくらいの距離を一度も間違えずに案内し、その子の家に到着。コインランドリーでは、親は仕事に行っていることになっていましたが、本当は無職で家で寝ている旨を言い出しました。性悪な子ではないですが、小さな嘘を簡単に言ってしまうあたり、子供のようです。自転車を下ろして別れました。

帰宅中、あの子もこんなことを続けていると、いつか犯罪に巻き込まれたり、性犯罪被害に遭ったりしかねないな・・・でも一度怖い目にあって認識が変わらなければ、ずっとこのままなんだろうな・・・と思ったりしました。